景色の器
今回の展示の中でも、特に際立った存在感を放つ作品。
矢萩さんの作品で初めて目にする方も多いのではないでしょうか。
蓋物とは蓋つきの陶磁器を特に指す言葉ですが、オブジェと呼びたい逸品です。
蓋の内側、中、底と全てに美しい景色があり、閉めて眺め、開けて眺めで…いつまでも開けて閉めて眺めてを繰り返してしまいそうです。どの面も美しく、全ての面が一つのとなっており、どこにもいわゆる【裏側】が存在しないのも特徴です。
嵌合も良くく、下は段差がないため、下のみでもお使い頂けます。人が集まる席でお使い頂く特別な器としても、オブジェとしてそばに置いて頂くのも素敵ではないでしょうか。
size/ 直径23cm 高さ5cm
作り手/Takahiro Yahagi
矢萩さんの作品は、
時間を経たアンティークのような佇まい。
透き通るような磁器肌に
あえて施した黒化粧
朽ちた造形をもたせた美しい作品たち。
西洋的な造形ですが
矢萩さんならではの日本的な景色を感じ、
どこか【器】というより、美しい自然の情景や移り変わる景色を見ているようです。
生まれた国も時代も知らなくても
違う国、違う時間で矢萩さんの作品に出逢ったとしても、きっと手に取ってしまう。私にとってはそんな器です。
釉薬がかかっていない部分が多い白磁のため、時間を経ていくにつれて味わいがまし、それぞれの持ち主の元でそれぞれの個性をもって育っていく器でもあります。
時を経て育つ美しさを、新しく生み出してくれる希少な作り手です。
【お取扱いについて】
粒子のきめ細かい白磁土を使用しています。
釉薬がかかっていない物はご使用に応じて少しずつ着色していく事で景色が出来上がることを作品の意図としている作家さんになります。
白い姿、現在の景色を維持されたい方はご使用後できるだけ早めに洗って頂くことをおすすめします。色素移りが気になる場合は食器用漂白剤をご使用下さい。
欠けたような形状は意図して行なってあり、やすりで仕上げているため尖りはございません。使用によって欠けがあった場合、耐水ペーパーなどで磨いて頂く事で続けてご使用頂けます。
ご不明な点がありましたらHPのCONTACTもしくはMOUSEION Instagramよりお問い合わせ下さいませ。