こちらは12月末までにお仕立ての作品です。
【 香りの掛け軸 】
現代の掛け香の姿をつくりたいと思い、3年ほど前から shsui_waterの若崎祥子に相談し、試作を重ねた末に実現した作品。
壁にかけた時の室礼としての美しさと、空間の香を兼ねたお作りです。中の匂香はカートリッジ式で入替可能となっております。
素材: 正絹 100% 真鍮
サイズ: 真鍮 直径6.5cm / 絹 幅 5cm 長さ約55cm
香: 山田松香木店 MOUSEIONコラボレーション
ゆかし香 / モダン香
付属: 真鍮ピン、紙漏瑚、香り二種
・背景としてます黒絹板は付属しておりません。ご希望とお問い合わせが多いため、今後おつくりできるか検討して参ります。
香りは香木を中心に天然の素材のみで作られた匂香。清めを感じるトップノートから1カ月ほどでえもいわれぬ深い余韻の香りへと変化します。お使いの後は香炉で焚く事も可能です。
掛け香とは、室礼向けに壁や柱などに掛ける匂香の形式の一つです。
匂香は伝統的な日本のポプリのような存在。香木、ハーブ、スパイスを中心としているため香り持ちがよく、トップノートからラストノートへの変化を楽しむ事が出来る優れた香りの形式です。
【 はじまり】
この作品をつくるきっかけは数年前に香木の匂香の香りに感動し、自宅でも使いたいと思ったことから。
絹の生地目を完璧な正方に整え、糸を一本真っ直ぐに抜くオートクチュールの手法を用いたものづくりです。
和裁も西洋のオートクチュールの手法も理解し、日本的な美意識を持つ彼女にしか出来ない作品だと感じています。
その時に、時を経ても変わらぬ魅力を持つ香りと室礼への美意識そのままに、現代の暮らしに合わせた今の姿を考えました。
掛け軸
壁面装飾の歴史を調べ考えた時に、日本における最もミニマルで優れた壁面装飾の一つが掛け軸だと感じています。使わぬ時は巻物としてなおせ、季節によって場によってかえることができる。限られた土地に暮らす日本だからこそ生まれた実用を兼ねた美意識です。