漆の声を聞き、漆と語らい漆と遊ぶToshihiko Iwataの一点物の茶即。
乾漆という技法で漆と遊ぶ岩田俊彦。乾漆は麻布に漆を何度も塗り重ね、漆だけで立体を生み出す古来より続く漆技法。奈良仏像にも受け継がれたこの技法は内部を空洞のまま形づくるため深い質感と相反する軽やかさを持つ事が特徴です。
素晴らしい技法ですが工程が多く高度な知識と技術を要するため、現代では担い手が少なく、高額な工芸や文化財に用いられるのみになっています。
素材 / 漆、布
Size /
- A W6 L15
- B W6.5 L15
- C W6 L16.5
- D W7 L15
- E W6.3 L16
時代 / 現代 2025
国 / 日本
【 About Toshihiko Iwata 】
経歴/ 1970年 神奈川生まれ
東京藝術大学美術学部工芸科漆芸専攻卒業
現在、神奈川県鎌倉市で製作を行う
2024年 「蝕-Erosion」
Whism乗興院(台北)
Place in my heart
POLA MUSEUM ANNEX(東京)
フォーシーズンズホテル大阪
Vip room 大型屏風 作品 など
【 Public collection 】
ポーラ美術財団
モンブラン文化財団
佐藤美術館
三嶋大社
【 岩田 俊彦からの言葉 】
漆液は、漆の木の血液といってよい。漆が固まるプロセスも、私達人間がケガをした時に血液が染み出し、かさぶたを作る酵素反応という作用に依拠しているからだ。
漆は、温度や湿度の差異、混ぜ入れる材料の違い等によって、実に様々なかさぶたをかたち作る。例えば漆を厚く塗ると縮み、塗膜の表面にしわが表れる。
それは、通常の漆塗りの工程では、失敗にあたるものだが、私はむしろそうした人知では及ばない、自然が醸し出す景色のようなものに心震え、その痕跡を慈しみながら一つの作品へと昇華させていく。
作品が出来上がっていく過程において、主体はあくまでも漆をはじめとした素材であり、彼らが結びつき、結晶化していく為には、どのように動き、どのようになりたいのか。声なき声を聞きながら素材の意思に従って作業を進めていくのが私の役割。
漆を人間の側に引っ張ってくるのではなく、こちらができるだけ漆の方へ寄り添っていく。そんなものづくりをしていきたい。