もくもくとたちのぼる煙をイメージした煙銀彩と名付けた高台碗。
この茶香の会のためにつくってくださった逸品中の逸品です。
なんとかっこいい子でしょうか。
複雑な外側の色彩に内にたちこめる煙の景色。
陶芸家ならではの煙の景色だと感じます。
器としての姿と煙をあらわした銀彩のArtピースとしてのバランスがとても心地よい。
飾る愛でる使う
幅広く受け取り手の感性で使い道がありえる器は、彼自身のようです。
素材:陶器 銀彩
Size: 約直径14cm 高さ約5cm
【発送について】
企画展終了後に皆さままとめての発送となります。発送には約一週間ほど頂いており、10月末を予定 しております。
【 ご使用について 】
直火、オーブン、電子レンジ、食洗機のご使用はお避け下さい。貫入をデザインとして取り入れた作品です。ご購入時の状態を保ちたい方はキッチン用の漂白剤をお使い下さい。色の濃い飲み物などに使われたり、入れたままにされますと、器に自然と色が入ります。色が入るのを育てて頂いても、漂白剤で元に戻して頂いても、お好みに合わせてお使い下さい。
【 About 菊地亨 】
適当をよく口にする彼の作品は全てに適度な遊び心と暮らしへの楽しみ方が滲み出ている。
デザイン学校を卒業20歳後県の窯業指導所(現・県立笠間陶芸大学校)に入学。指導所を卒業後、藤本均定成(ふじもと ひとしさだなり)さんに弟子入り。
陶芸の道へ。
現在、茨城県にて制作を続けている。
【______インタビュー01 About Toru Kikuchi 】
出来上がるまで。
その試行錯誤の時間。
上手くいく時も、いかない時も。
彼はその過程を楽しんでいる。
そういう、心から人生をかけて遊ぶ人だけが持つ、
その人だけの世界観。
それはどこから来るのか。
『焼き物を焼きたくてはじめたわけではないんですよね。たまたま焼き物の産地である茨城県の笠間に生まれ、焼き物にふれる環境が身近にあったのでたまたま陶芸家になった。手を動かしていたい、それで食べていければ幸せ。という心から陶芸の道に進んだけど、生まれた土地が違えば木工や違う物をつくっていたと思う。』
そう話してくれた彼。
個性的なのに、とても良い意味で力の抜けた、
余白ある自然体な作品たち。
それはきっと、
無理をしたり
自分をこう見せたい
こう在りたい
という気負いがなく、
気づいたら陶芸家になっていた
手を動かしているうちにこの形になった
という、自然体で本能的に好きなものに向き合う姿勢から生まれてくるんだろうなと思う。
それは知識や他人の経験をのぞき知る機会に溢れかえった現代では、ある意味とても難しい。
料理で言えば、あふれる時短で美味しいレシピのすべてに目をつむり、
ひとつひとつの素材や、煮る・焼く・炒めるという技法そのものに毎日たくさんの時間を投入して、
「こうやったらどうなるんだろう?」という疑問や、
「おっ、この味好きかも」という自分の感覚をたよりに、
成功率の少ない実験に日々向き合い続けるようなこと。
なんでそんな効率の悪そうなことを続けられるのか。
出来上がる「結果」だけでなく、
試行錯誤して実験する時間を楽しむ彼だからだろう。
『知識って、一度知ってしまえば、もう二度と知る前には戻れないでしょ。』
名言だなぁ。
彼は本やネットや他人の経験からくる表面的な情報ではなく、
自分の手と時間をかけて、「本当に知ること」を大切にしている